中国企業が台湾TSMCから100人以上の技術者を引き抜きか(日経報道)

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TSMC

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中国政府の支援を受けた2つの新興ファウンドリ(実際に半導体を製造する企業)が、iPhoneのAシリーズチップ生産を担当する台湾TSMCから、100人以上の技術者およびマネージャーを倍以上の給料を提示して引き抜いたとの噂が報じられています。

Nikkei Asian Review(以下、日経)報道によると、2つの新興企業とは全新集積回路製造(QXIC)および武漢紅興半導体製造株式会社(Hongxin)。いずれも業界外での知名度はほとんどありませんが、それぞれ50人以上の元TSMC社員を雇用し、やはり元TSMC幹部が主導しているとのことです。両社は14nmと12nmのチッププロセス技術の開発を目指しており、TSMCより2~3世代遅れているものの、中国では最先端にあると伝えられています。

ちなみに製造プロセスとは回路線幅のことで、一般的には7nmや5nmといった数字が小さくなる(微細化する)ほど集積度が高くなり、結果的に電力対性能の効率も向上します。今年TSMCが製造すると見られるiPhone 12(仮)シリーズ用のA14(仮)は5nmと予想されており、2021年には3nmのリスク生産(特定の顧客がない時点で、自己責任で行う試験生産)も開始すると公式に予告されています

日経によると、こうした熱心な採用活動の背景には、中国政府の思惑があるとのことです。中国の海外サプライヤーへの依存度を減らすため、国内のチップ産業を育成することへの支援が狙い。QXICやHongxinのような新興半導体プロジェクトの多くは地方政府の支援を受けており、国家目標に貢献していると中国政府にアピールするため、互いの競争とトップ人材の獲得に拍車がかかっているとの事情が伝えられています。

それだけに、引き抜きに当たって提示される報酬もかなりのもの。HongxinはTSMCの総年俸とボーナスの2~2.5倍もの額を提供したとの事情通の話も報じられています。

TSMCも人材流出は懸念しているものの、すぐに業界トップの地位に影響を与えるわけではないとのことです。とはいえ、自社の企業秘密が中国の新興企業に移転することを懸念しており、チップ製造装置メーカーにはTSMC向けにカスタマイズされたツールを中国企業に販売しない誓約書に署名するよう求めたそうです。

日経は2017年と2019年に設立されたQXICとHongxinともに、米中関係が緊張するに伴い、中国の半導体産業が自給自足を目指しているブームの一部だと位置づけています。まさに今年6月、TSMCが米トランプ政権の規制強化を受けてファーウェイからの新規受注を停止したなか、中国企業による人材引き抜きの動きは今後、さらに激しさを増しそうです。

Source:Nikkei Asian Review

Via:AppleInsider

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